【福岡企業取材】株式会社石蔵商店〜はかりの世界で、自分たちの技術を磨き続ける〜

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前回の取材では…
石蔵社長と営業推進室の石蔵裕晃さん、営業アシスタントの小笠原さんに取材させていただきました。

石蔵商店がたどってきた歴史や、全国でも珍しい「はかりの世界」を存分に語っていただきました。

他ではできないような確かな技術を持って、今後も家族のような仲間と一緒に新しいことに挑戦していこうという社長の想いと、それに応えるべく、前のめりにお仕事をされている社員さんの姿勢が印象的でした。

前回の記事は以下からご覧になれます!ぜひまず、ご一読ください!

【株式会社石蔵商店】 〜あなたも「はかり」も可能性は無限大〜

今回の取材では「実際にどんな業務をどんな人がどんな想いでやっているの?」という、皆さんが読んで『働くイメージの湧く記事』です。

「はかりって何?珍しくて面白そうだな」

と思ったそこのあなた!ぜひ読んで欲しいんです。

でも一つだけ。

この記事を読む前に「自分だったらこんな風な仕事をしたいな」「こんな人たちと働きたいな」という理想をぼんやり頭に思い浮かべて見てください。

読み進めて行くうちに「そうそう!私も同じ考えだ!」とか「こういう人たちと仕事をしたいな」と思ったら、この記事を読み終わる頃にはきっと石蔵商店のトリコになっていることでしょう。

福岡・新宮

福岡市を出て、車を走らせていると色々な工場が立ち並んでいる通りに出た。そう、今日は新宮町の緑ケ浜にある株式会社石蔵商店さんの工場へやって来たのだ。

「こんにちは!わざわざお越しいただき、ありがとうございます。」

梅雨も明けた蒸し暑い天気の中、その日差しにも負けないくらいの笑顔で迎えてくださったのは工場長の竹藤(たけふじ)さんと次長の枦渕(はぜぶち)さん。

(左:工場長の竹藤さん、右:次長の枦渕さん)

 

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竹藤さん
今日来ていただいたここ新宮工場では主に直販を専門とする特販課と、計量器の据付や修理などを担当する技術グループ、海外輸入品の販売を担当する海外製品グループ、分銅の製造や補修などを行う分銅製造グループという4つのグループがあります。その中で実際にこの工場で生産しているのは主に分銅になります

工場での写真撮影で私が一番驚いたのは、社員さんたちの人柄の良さ。「工場で働く人」と聞くと、なんだか無愛想で話しかけづらいというイメージがあったのだが、今日は違った。突然来た見ず知らずの私に対し、「私が今やろうとしていることはこういうことです。」「良かったら溶接やりましょうか?写真的にも綺麗に撮れますし。」など率先して協力してくださったのだ。その手際の良さに私の方が戸惑ってしまうほど。

石蔵商店とはかりの世界の発展を見守る竹藤さん

そんな社員さんをまとめるのが工場長である竹藤さん。

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工場長の竹藤さん
私の主な仕事は製造や工場の管理ですね。技術グループに所属しており元々は計量器の据付や修理、計量器が正しい数値を示すかどうかの校正業務をやっていました。というか工場長になった今もやっているんですけどね(笑)

とお話しする眼差しはとても穏やかだったように感じる。

私たちがよく目にする小さなはかりが壊れた場合の修理は、お客様からそのはかりを送ってもらい、自社で修理した後に再度お客様のもとへ配送する。しかし、トラックスケールなどの大型のはかり自が壊れた場合は、自ら現場に出向いて修理しなければならないのである。

この大きな現場を支え、見守る役目を果たす傍ら、自らお客様のお困り事解決のため出向くことも頻繁にあるそう。繊細な計量器を扱うことのできる技術を持った人が全国を見ても決して多くはないため、計量器で困ったお客様の駆け込み部屋のような役割を担っているのである。

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工場長の竹藤さん

私が仕事をする上で大切にしているのは、お客様のためにという思いを忘れないようにすることですかね。常にお客様を第一に考えています。私たちが訪ねていくのは困っているお客様で、ラインが止まってしまえば出荷できないという生命線でのお仕事に遭遇する時もあります。そんな中、自分が関わることでお客様を助けることができた時に、喜んでもらえると嬉しいですし、やりがいがあります。困ったことを解決するということに加えて、自分にしか解決することができないんだ!という使命感が自分自身を奮い立たせていますね。

実際に修理に出向いた時、そのはかりが結構昔のものであったり、見たこともないものだったりする時も沢山あります。そんな時でもやっぱり困ったお客様のためになんとか解決するしかないんですよね。最近は修理のご依頼で茨城県にまで行きました、トラックで(笑)

いやいや、茨城県まで行くなんて堪まったもんじゃないと思ってしまいそうだが、竹藤さんの中にはそこに行くことで自分の価値を見出すということと、距離をも超えて人と人との繋がりを大切にしている方なのだろうなと感じた。

そのような想いはいつから生まれたのだろうか。

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工場長の竹藤さん

時期的にいえばもう最初から、技術グループで計量器を通してお客様と触れ合う機会が多かったのでそのような想いは自然と湧いてきたと思います。その都度お客様から助かった〜と言ったお言葉や嬉しそうな表情を見ると自分のやりがいにもつながります。ある意味快感ですね(笑)

石蔵商店が取り扱っている計量器の分野は本当に様々で、食品工場や製薬会社、製鉄所や半導体工場などあらゆる分野に亘ります。このように分野が全く違うと難しいなと思ったことや困ったことなどはないのでしょうか?

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工場長の竹藤さん

いや〜、難しいですね。計量器は機種が変われば調整方法も変わりますし、新機種もどんどん生まれるので自分自身も勉強して、常にアンテナを張っていなければ対応できません。決まった壊れ方をするわけではないので今までの自分の経験から解決方法を見出す必要があるので、日々自分をアップデートしていますね

かなり向上心のある方なのだろう。工場長になった今も、自分自身の成長を止めることなく貪欲に技術を磨き続けている。

そんな竹藤さんから見た石蔵商店の強みをお聞きした。

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工場長の竹藤さん

やはり働く人が皆優しいところですかね。社長の大家族主義という考え方もありまして、雰囲気が昔から変わらずずっと温かいですね。私自身、工場長になる前は先代の工場長の背中を見て、困ったときには助けてもらいながらやってきたので、お互い助け合うような関係性が会社全体でできているところは強みだと思います

そもそも竹藤さんはなぜ石蔵商店へ入社を決めたのだろうか?

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工場長の竹藤さん

入社してもう29年目になるんですが、専門学校で電子科を卒業しました。就職活動中にたまたま石蔵商店に出会い「計量器」という文字を目にしました。当時自分が知っている計量器といえば、体重計や温度計などで他にもこんな種類があるんだと興味を惹かれましたね

石蔵商店の技術発展に貢献し続ける枦渕さん

そしてそんな竹藤さんと一歳違いで、同じ専門学校出身の次長枦渕さんは主に海外製品を担当している。

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次長の枦渕さん

僕も工場長と一緒で、求人サイトを見ていたときに「計量器」って何だろうと目に留まったんですよね。それでお話を聞きに言ったところ、当時はかなりマニアックだなと思いましたね(笑)でも考えてみれば計量器って本当にいろんなところに使われているんです。前回の取材でも社長がおっしゃっていたと思うのですが、人が生まれて初めて乗るのも体重計ですしね。今まで気付いていなかった魅力に惹かれて働くことを決めました。

技術職として入社してからは、もうやればやるほどはかりの世界にのめり込んでいきましたね。集中すると2時間も3時間も続けてしてしまいますし、自然とこだわりも生まれてきます。おそらく自分が思っている以上に私も、マニアックなんでしょうね

はかりマニアな枦渕さんは海外製品グループに所属されており、主に海外メーカーからの輸入した計量器を扱っている。

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次長の枦渕さん

当社では国内メーカーの製品はもちろんですが、海外メーカーの計量器も輸入して販売しています。当工場で国内で販売できるように最終調整したものを出荷しています。

計量器は使用する地域によって重量が変わるんですよね。地球の自転の関係で、赤道に近くなればなるほど軽く出て、北極に行けば行くほど重くなるんです

え!ってことは極端に言うと、沖縄と北海道でも重さが違うんですか?

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次長の枦渕さん

そうですね、この取材用に持ってきたはかりで言えばおよそ30gぐらい違いますね

と言うことは…3分クッキングで紹介されている料理の味は、沖縄と北海道で作るのでは味が少し違うのでしょうか?

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次長の枦渕さん
そうかもしれませんね(笑)

石蔵商店から沖縄や北海道へ計量器を販売する場合は、その重さの違いを計算し調整してから販売するそう。まさか計量器にこんな違いがあるとは…新発見です!!

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次長の枦渕さん
海外製品グループができたきっかけは社長の意向でした。東京で様々な計量器のメーカーさんが集まった展示会があって、そこに社長が出向いたときにふと目についたのが今取り扱っている韓国の商品だったんです。そこから取り扱いが始まりました

石蔵商店が取り扱う海外製品は韓国のトップメーカーの製品で、国内製品と比較し価格が安く、品質も国内メーカーに負けていないとのこと。

全国でも珍しいはかりで海外との取引も行う枦渕さんが感じる、入社前と入社後のギャップについてお伺いした。

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次長の枦渕さん
石蔵商店で働く人は基本優しいんです。でも自分が入ったばかりの頃の上司はかなり怖かったんですよ。計量器自体を作っていたという歴史もあるので、職人気質な方が多かったように感じます。なので自分はなるべく後輩に対してオープンに話すようにしています。例えば自分の失敗談とかも

そういう関係性とてもいいですね。でも後輩に対して自分の失敗談を話すのって勇気がいることだと思うんです。先輩としてお手本とならなければいけないというプライドや、弱みを見せてはいけないという思いは少なからずあると思うのですが、その壁を越えれる理由って何かあるのですか?

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次長の枦渕さん

もちろん恥ずかしいという気持ちは少なからずありますが、先輩後輩という関係性以前に同じ仕事をしている仲間なので、そういう意味では悩みを共有して少しでも力になれればなと思っています

ちなみにその失敗談ってなんなのでしょうか…?

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次長の枦渕さん
えっと、、、言っていいのかな。あとで呼び出されるかもしれないですね(笑)
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次長の枦渕さん

初めて先輩の付き添いではなくて、自分一人で計量器の修理に行った時に修理の仕方が全然分からずに冷や汗をかきながらメーカーさんに問い合わせたりしたんですが結局直すことができなかったんですよ。結果お客様のラインを一旦止めることになりました。そのときは本当に悔しかったですし、自分の不甲斐なさにかなり落ち込みました

そんな辛くて悔しい経験があるからこそ、今の自分があると枦渕さんは語ってくれました。

人間誰しも自分の思い通りにいかなかったこと、辛かった経験があると思います。でもそれはいつしか自分の力となり糧となります。そう思うと私は失敗という概念は存在しないのではないかなと思ったりもします。もちろんそのときは落ち込みますけどね。

 

あの時の経験を思えば、今を頑張れる。あの時の経験が今役に立った。そう思える日がいつか来ると自分を奮い立たせ、経験を経験のままにしないことの方が大切なのではないかとお話を聞いて思いました。

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次長の枦渕さん
でも逆に嬉しかったエピソードもあって。私が当時依頼されて行った先が養豚場だったんですよ。修理をして帰る際に「石蔵さん!これ持って帰って!」って渡されたのが両手でも持てないくらい大量の豚肉だったんですよ(笑)生肉だったので早く帰らなくちゃいけなかったですけど、こうやってしてくださるお客様がいることは本当に幸せですね

もらって困ってしまうほど沢山の感謝をいただけるくらい、お客様と仲の良い関係を築いていらっしゃる枦渕さん。どうやって良い関係を築いていけたのでしょうか?

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次長の枦渕さん

スピード感を持って行動していますね。困ったお客様を相手にお仕事をすることが多いので急な注文も沢山あります。その時、私たちが困ったな〜と思っている以上にお客様は困っていらっしゃるんです。そんな方を放っておくわけにはいきません。すぐにでも駆けつけて安心してもらうのが私たちの役目なので、頼まれたらすぐにやる。そうでなくても常にスピード感を持ってやるということは大切にしています。

あとは、お客様にプラスアルファの提案を忘れないようにしています。修理に行った際も“ここの配線が絡まっていたので直しときましたよ”とか“ここ悪くなり始めているので気をつけてくださいね”など、ちょっとした気遣いの積み重ねをしていくことを意識しています

このエピソードから枦渕さんは、ただ計量器を取り付けるだけ、修理するだけのお仕事をしているのではないと確信しました。

皆さんが身近に感じやすい例で言えば…アルバイトですかね!アルバイトだと雇われている立場なので、言われた業務だけを的確にやればお金がもらえます。しかし、社会で働くということは経営者はもちろん、会社に雇われている立場であったとしても自分で仕事を作っていかなければなりません。

相手に対して価値のあるものを提供するには「相手の期待を超えるしかない」と私は思います。期待を超えて初めて喜びや感謝の気持ちが芽生え、その積み重ねによって仕事としての間柄を超えた良い関係が築かれていくと思います。枦渕さんが真剣に向き合っているのは「お客様」ではなく、1人の人間との出会いなのだろうと感じました。

石蔵商店のはかりはやっぱり可能性が無限大

そんなお二人のこれからについて聞いてみました。

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次長の枦渕さん

先ほども申した通り、やはり部下の教育ですかね。いずれは自分のポジションにつく人を育てていく必要があるので、まずは自分と同じくらいのところまで技術をつけてもらうことが最優先なのかなと思います

さらに海外輸入品グループを引っ張る立場として、管理という面にも力を入れていきたいという。何か問題が起きれば、日本に輸入する際の規制がどんどん厳しくなる。自分たちが徹底して管理を行なっていかなければ、次の世代にも迷惑がかかる。世界をまたいでお仕事をする枦渕さんは、未来へ繋ぐ者としての責務も全うしようという気持ちが伝わってきた。

一方、工場長の竹藤さんは石蔵商店の市場をさらに広げていくため、ふつふつと燃やしている心の内を覗かせてくれた。

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工場長の竹藤さん
今の事業では主に計量器の機械自体を取り扱っているのですが、そこから先の周辺機器への業務にも力を入れていきたいです。例えば、高速道路への進入ゲートで道路の下に埋め込んである計量器だけではなく、それによってゲートを開けるなどのシステム開発も自社で行っているのですが、そこがまだまだ開発の余地があり、今後の課題としているところでもあるので取り組んでいきたいと思っています

ということはやはり、はかりの市場は無限大ですね。

最後にお二人が思うこれから活躍していく人についてお伺いした。

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次長の枦渕さん

うーん、私みたいにマニアックな人ですかね(笑)はかりあまり知られていない世界なので計量器にまつわる法律であったり、最初の取っかかかりが難しいと思うんですよね。なので私たちの方からこの世界の面白さを伝えていければ、あっという間にのめり込めると思います

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工場長の竹藤さん

やはり好奇心がある人だと思います。私たちの業務は、なぜこの重量を示すのだろうなどその問題にある背景を探り、解決方法を導き出していきます。なので常に、なぜ?という問いを繰り返し、本質を追求する姿勢は必要不可欠ではないかと思いますし、そのように考える力のある子がこの先伸びていくのではないかなと思います

後書き

私にとってもNavi-razにとっても初の2回目の取材という新たな取り組みをさせていただきました。

皆さんいかがだったでしょうか?

石蔵商店のトリコになってしまった方も少なくないのではないでしょうか!

石蔵商店の未来を見据え、静かに野心を抱く工場長の竹藤さんとお客様や社員さんに対して自分が持っている武器を惜しみなく使う枦渕さん。そしてそんなお二方の背中を見て、日々はかりの世界で戦っている社員の皆さんが働くここ新宮工場はとても人情に溢れた素敵な場所でした。

株式会社石蔵商店さんのホームページもぜひご覧になってください。

HPはこちらから→株式会社石蔵商店

次回の記事も就活生の方にも、社会人の方にも楽しんでいただけるインタビューになること間違いなしです!お楽しみに!

株式会社石蔵商店アイキャッチ
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