産声をあげ、この世に生を与えられた私たちが最初に乗る「体重計」。
親に見守られ成長し生きていくうえで、私たちと“はかり”はかなり密接な関係であることをご存知でしょうか?
福岡には“はかり”を通して、業界問わず様々な分野を支えている会社があります。
株式会社石蔵商店(以下:石蔵商店)は、工業用はかり・一般はかり・分銅・温度計・長さ計などを販売している会社。
福岡に限らず、日本全国の大企業から個人様まで幅広いニーズに答えながら、アフターフォローまでを一貫して行う石蔵商店
今回取材させていただくのは、石蔵商店の計量器事業部門。
23年前から石蔵商店を支えている社長と二人の社員さんにお話を伺いました。
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はかり・分銅・温湿度計など計量機器に関してお困りのことは、全て石蔵商店にお任せください。国内有数の設備と技術、そして安心…
石蔵商店の石蔵社長が話す!あなたもはかりも可能性は無限大!
福岡・中洲。
商業施設が集まる天神から、歩いて10分ほどの川沿いに石蔵商店のオフィスはある。
まず最初に迎えてくれたのは石蔵利治社長。
はかりの事業が周りに受け入れられるようになるまで、いろんな葛藤があったといいます。
私たちが作る製品は価格が比較的安いにも関わらず、品質の高いものを提供できるのが大きな特徴です。
当時、はかりや分銅は高価なものだったのですが、材料を中国・韓国・台湾等から輸入することでコストダウンが可能になり、自社の高い技術を持った職人によって、他には真似できないほどの正確なものを販売することができたんです。
ただ、石蔵商店の先代曰く、最初は営業に行っても見向きもされなかったようです。それでも諦めずに努力を重ねたことで、注文をしてくれるお客様が徐々に増えたんだそうです
す、す、すごい忍耐力。「そんなもの必要ないでしょ」と受け入れられないことも多かった言いますが、諦めずに突き進めたのはなぜなのでしょうか?
石蔵商店の技術に相当な自信があったんです。誇りを持っていたんです。
絶対に石蔵商店の技術を多くの人に届けなければならないという使命感は常にあったと思います。今はこの技術を絶えさせてはいけないという使命感を持って日々働いていますね
先代から続くはかりに対する熱い情熱は、今日この時も絶えることなく激しさを増していたように思います。
今は本当に様々な分野にはかりは使われています。
例えばスーパーでお惣菜を買うとき、何gで何円という表記がされていますよね。
タクシーやバスなどの公共交通機関に乗る時も何メートルで何円、今日の気温は何度なのかで服装などを判断しています。
皆さんは知らないうちに測られた数字で物事を判断しているんです
人は皆、目に見えないものを測り数値を持つことで安心して判断することができます。はかりは単なる製品ではなく、人の心を後押ししてくれる秘密兵器なのかもしれないですね。
私の緊張を緩めるように、ユーモアを挟んでくれる石蔵社長。大変助かりました、ありがとうございます!
聞けば聞くほど奥深い“はかり”の世界。
なんだか超深海に潜り込んだような気分。進めば進むほど、新たに知らない風景が広がるような、そんな不思議なはかりの世界です。
はかりってどれも同じでしょ!と思っていた私ですが、今までどれだけ表面的な部分しか見ていなかったのかを考えさせられました…
ということは、これは就活生にとって企業を見る時にも同じことが言えそうです。
いつもは聞いたことのある企業ばかりを見ていたけど、一歩踏み込んで話を聞いてみると、案外面白い世界が広がっているのかもしれませんね。
うわ〜こういう奥深い魅力に是非、多くの学生に気づいて欲しい!!
そのために、私ができることを精一杯頑張ろうと心に誓いました。っていう独り言は置いといて、本題に戻ります(笑)
石蔵商店さんに取材をしていて感じたのは、不思議なはかりの世界に飛び込んで働いている人たちは特徴的で面白い方ばかりということ。
石蔵商店では大家族主義という経営方針で、本当の家族のように仲がいいんです。
私自身も社員一人ひとりのことをよく理解しようと努力しますし、話しかけやすい雰囲気作りは特に大切にしています。
何か相談があれば積極的に話を聞きますし、“何かしたい!”という意見があれば積極的に取り入れ、まずはやってみなさいと後押ししますね
そんな気軽に社員の方から「やりたいです!」と言えるものなのですか?
そうですね。石蔵商店は大企業ではなく中小企業なので、小さいからこそ社員一人ひとりのモチベーションが高く、“自分で何かしたい!”と訴えてくることが多いです。
私も社員からの意見は随時取り入れるようにして、絶えず社員から意見が言えるような工夫はしています
石蔵社長が持つうつわはとても広く、どっしりとした佇まいだと感じました。
社員さんは与えられた仕事以上のモチベーションの高さを持ち、また、社長に対する絶対的信頼があるからこそ怖気付くことなくのびのびと仕事をできているのだと思います。
長年培ってきた確かな技術と、家族のような温かい雰囲気から生み出される強い繋がりを生かしながら幅広いニーズに素早く対応できるのは、石蔵商店の強みですね!
就任してから早23年が経ち、日本全国からお問い合わせが来るほど受け入れられるようになったものの、「これからの時代に合わせて新たな価値も生み出していきたい」と話す石蔵社長。
私は、市場は無限にあると思ってるんです。昔はなかなか受け入れられなかったはかりや分銅が、今となってはこんなに必要とされています。
コロナ禍で、医療業界の需要が増えたり、思いもよらなかったところに突然市場が現れたりする時代です。
今後は特に若手の育成に力を入れ、技術職と営業職共に成長し続けていかなければならないと思っています。九州地区の発展に力を注ぎながら、いろんなところと協働していく体制を作っていきたいですね
現在、日本全国から依頼の電話が鳴り止まないほど多くの人に必要とされている石蔵商店ですが、ここまで来てもさらに社長は貪欲で、現状に満足することなくはかりの可能性を模索し続けていました。
常に進化を止めることのない石蔵社長にとって、会社で働く人は大きな財産であるといいます。
同じ目標に向かって協力していく姿勢と、互いを思いやる心を持った人たちが石蔵商店には集まっていると思います。中小企業だからこそ全員で力を合わせないと成長は難しいと思っています。
さらに商売は人と人なんです。
人を大切にし、一人ひとりと正しく関わってきたからこそ石蔵商店は76年間続いてきたのでこれからも人に対して正しく在りたいと思っています
石蔵裕晃さんの語る『石蔵商店のお仕事の楽しさ』
続いて話を聞いたのは、営業推進室の石蔵裕晃さん。
石蔵社長の息子である石蔵裕晃さんは営業担当として働かれていましたが、去年から製造の責任者として工場で技術者の方々と日々、汗を流されているそう。
工場と聞くと、かなり体力的に大変なイメージがありますが…
分銅は20kgのものを持ったりするので体力的には大変かもしれないですね。
あとは技術者になると、普段人が入らないようなところに入って作業をするので粉塵を浴びることが多く、防護マスクを付けて作業をしています。
夏は暑いですし、働く環境としては悪い方なのかもしれませんね(笑)
しかしこの仕事は他にはない、自分たちにしかやれないという使命感があるため、技術職の皆さんは毎日やりがいを感じながらお仕事をされているんだろうな。ぜひ工場にも足を運んでお話を聞いてみたい!
以前、営業で働いてみて難しいなと思ったのは、分銅で特殊な注文を受けた時ですね。
お客さまの要望が多種多様なので、例えばシーンによってかなり精巧なものでなくてはならない場合と、ある程度の品質が担保されていれば良い場合があったりします。
しっかりお客さまとのコミュニケーションをとっていかないと、お互いの認識の違いでこんなの頼んでないと言われたときは焦りますね
卸業とメーカーの2つの顔を持ち合わせているため、どちらにもそれぞれ大変な部分はあります。
分銅に関しては、関東や関西にも同じようなメーカーさんがありますがバチバチなライバル関係ということはないんです。
石蔵商店でできないものは頼んで作ってもらったりすることもあるんですよ
え!そんなこと本当にしていいんですか?売上とか気にしないんですか…?
業界全体で横の繋がりがこんなにも強いんですね!
ニッチな市場だからこそ、業界全体で協力し合う体制が出来上がったのかもしれません。はかり業界で互いに切磋琢磨しながら働く人たちの関係ってとても素敵だと感じました。
石蔵さんはどんな人に魅力を感じますか?
やっぱりチャレンジ精神を持った人がいいかなと思います。これから私は次期社長として会社をさらに成長させていかなければならないという立場を考えた時に、どこでも手に入るはかりとの差別化や、ネットでの販路拡大などを積極的に行っていかなければなりません。
私もこれからいろんなことにチャレンジしていかなければならない立場だと思うので、果敢に挑戦できる人はいいなと思います
石蔵商店で働く楽しさについて小笠原さんにお聞きしてみた!
続いては、営業アシスタントの小笠原さん。
私は仕事…していません!っていうのは嘘で(笑)。
今は営業アシスタントとして働きながら『計量士』の資格を勉強しています
計量士とは計量を管理するための国家資格で、小笠原さんは半年間、つくばの産業技術総合研究所で研修を受けた後に企業で5年間実務経験を積んだそうです。
石蔵商店に入社したのは、大学の教授が紹介してくれたのがきっかけだったのですが、全然はかりとか分銅に全く興味がなかったんです。
でも縁あって働くことになって、業務に携わるうちにどんどんはかりの魅力に引き込まれていきましたね
今や計量士を目指すほど、はかりのトリコになっている小笠原さんは新卒で入社し、最初のうちはかなり苦労されたんだそう。
かなり大型な案件の時、当時の自分は製品に対する知識を蓄えていなかったんです。そのことによってお客さまとすれ違いが起き、トラブルになったことがありましたね。
私たちの部署は卸を専門としているので、エンドユーザー様とのやりとりの経験はあまりないんです。
さらに私たちよりも製品に対して知識を持ってらっしゃる方がいたり、逆に0から提案をしなければならない場合もあります。いろんな場合があるので、難しいですね
新しいことを初めたばかりの経験が浅いうちは、誰しもがこの壁にぶつかるのではないでしょうか。
アルバイトなどで働いている学生さんでも、少しは思い当たる節があると思います。今までのことが机上の空論でしかなかったということが分かって初めて、自分ごととして物事を捉える力がついてくるのだと考えます。
そう考えると、学生のうちに少しでも「働く力」を養っておくことが大切なのかもしれません。私も明日からさらに気合を入れてアルバイトを頑張ってみようかな。
小笠原さんにとって尊敬できる人ってどんな人ですか?
前回の株式会社石蔵商店(以下:石蔵商店)さんの取材では… 石蔵社長と営業推進室の石蔵裕晃さん、営業アシスタントの小笠原さんに取材させていただきました。 石蔵商店がたどってきた歴史や、全国でも珍しい「はかりの世界」を存分に語っ[…]
株式会社石蔵商店さんのお話をうかがって
今回は株式会社石蔵商店の石蔵利治社長、営業推進室の石蔵裕晃さん、営業アシスタントの小笠原さんにお話をうかがいました。
取材をしているというより、おしゃべりをしているような暖かな空間でした。明るい笑顔が素敵な石蔵社長とお話していると、社員の皆さんが常に自然体で働かれている理由が分かる気がします。
全国でも珍しい、はかりという分野で働かれている株式会社石蔵商店さん。
他ではできないような確かな技術を持って、今後も家族のような仲間と一緒に新しいことに挑戦していこうという社長の想いと、それに応えるべく、前のめりにお仕事をされている社員さんの姿勢が印象的でした。
これからもはかり業界の方々と一緒に、私たちの暮らしを支え続けてくれることでしょう。
石蔵商店さんの詳しい事業内容について知りたい方はホームページをチェックしてみてください。
▼株式会社石蔵商店さんのHPはコチラ▼
はかり・分銅・温湿度計など計量機器に関してお困りのことは、全て石蔵商店にお任せください。国内有数の設備と技術、そして安心…
福岡で熱く生きる企業の底力を見せつけられた取材でした。
次回も就活生の方にも、社会人の方にも楽しんでいただけるインタビューになること間違いなしです!
前回の株式会社石蔵商店(以下:石蔵商店)さんの取材では…
石蔵社長と営業推進室の石蔵裕晃さん、営業アシスタントの小笠原さんに取材させていただきました。 石蔵商店がたどってきた歴史や、全国でも珍しい「はかりの世界」を存分に語っ[…]