「建物が出来上がった時の達成感や喜びは最高なのものです」
仕事に対する想いを熱く語るのは株式会社福島工務店(以下:福島工務店)代表取締役森靖崇社長。
福島工務店さんは、建物を建てる際にコンクリートを流すための型枠を作る会社であり、過去にはあのPayPayドームの建設にも携わられたそうです。
今回ナビラズでは、福島工務店の森社長に取材させていただきました。
取材では、森社長のこれまでのキャリア、企業理念に込められた想い、福島工務店さんの今後の展望について詳しくお聞きしました。
建設業界に新たな風を吹かせようとしている福島工務店さんとはどのような会社なのでしょうか。
ぜひ最後までご一読ください。
森社長のこれまでのキャリアに迫る!
現在、3代目社長として福島工務店の経営を行っている森靖崇社長ですが、社長として活躍されるまでにどのようなキャリアを積んできたのでしょうか。森社長のキャリアに迫りたいと思います。
森社長は宮崎県延岡市の中学校を卒業後、18歳までの3年間職を転々とし、その後福島工務店に入社されたそうです。ではそもそもなぜ福島工務店に入社しようと思ったのでしょうか。
私は過去に仕事で福岡に来たことがありまして、その時にすごく良い街だなと感じ福岡に出てくることを決めました。
その中でなぜ福島工務店を選んだかというと、過去にした仕事の中で一番楽しくて面白かったのが型枠工事だったからなんです
型枠工事の面白さとは一体どのようなものなのでしょうか?
建物を建てるために地面の基礎工事を行い、地上での工事に入る時に一番最初に乗り込んでいくのが型枠工事の仕事なんです。
型枠工事業者が乗り込む前には建物の形は全く何もありません。
何もないところに型枠を作って、建物の形を作っていく。作られた型枠がそのまま形として残っていくんです。
これが一番の面白さ。建物の第一印象を作るような感じです
自分たちが作った建物の形が先の時代にもずっと残っていくんですね。森社長の言葉一つひとつから型枠工事に対する愛情が伝わってきました。
では森社長は福島工務店でどのようにキャリアを積んできたのでしょうか。
半年間の下積みを経験した後、とにかく仕事を覚えるために色々なことを勉強しました。
休みの日にも先輩職人さんから指導していただいたり、帰宅後も自分で勉強したり。たくさん努力をした甲斐もあって、入社して1年目で職長という役割を任せてもらうことができたんです。
それから熱量や探究心はどんどん増していって、とにかく誰にも負けないぞという想いで頑張りました。
30歳になった頃には現場では誰にも負けない自信がありましたし、仕事が楽しくて仕方がなかったんですよね
森社長は福島工務店に入社してからとにかく多くの努力をしてこられたのですね。心から楽しいと思える型枠工事という仕事を見つけ、毎日熱中して取り組んでいたという森社長のお話は羨ましくも感じました。
では、現在社長としてご活躍されている森社長ですが、どのような経緯で福島工務店の社長になったのでしょうか。
僕が30歳の時に当時の社長(現会長)が大きな病気を患ってしまい、手術を受けなければならなくなったんです。
その時に当時の社長から“福島工務店を託せるのはお前しかいない。お前が俺の代わりにやってくれないか”というオファーをいただきました。
先ほども話したように当時の私は現場が大好きだったんですね。だから社長業はしたくないと一度断りました。しかし何度もお前しかいないと言っていただき、社長代行となることを決断したんです
当時の社長さんは森社長の仕事に対する熱い想いを感じ、この会社を託そうと思われたのではないでしょうか。
森社長は当時を振り返ると、“その時社長になるという選択をした”ことをどう捉えているのでしょうか。
社長になる以前の私は現場で働いていて、1人で2人分の仕事をこなしたり、周りの社員と競い合っていたんです。
しかし“社長”という立場になるとそれまでとは違い、たったの数分でとても大きなお金を動かすことになるんですよ。
もちろん仕事の内容がガラッと変わったので多少の不安はありましたが、それよりも“こんなにも面白い世界があるのか!”と社長業に熱中するようになりました。
今でも仕事に没頭することができていますし、あの時“社長”になると決断して良かったと思います
確かに社長業となると1人の力で大きなお金を動かすことになりますし、社員の皆さんを守っていく立場にもなります。
想像できないほどの責任が与えられる仕事だと思いますが、型枠工事というお仕事に愛があり、福島工務店という企業で働くことへ夢中になっていた森社長だからこそご活躍されているのかもと感じました。
福島工務店の企業理念に込められた想いとは
ここまでは森社長のご経歴についてお伺いしました。
続いてお伺いしたのは福島工務店さんの“企業理念”に関して。
“以心伝心・勇往邁進・一日一生”この3つを企業理念として掲げている福島工務店さんですが、それぞれの言葉に込められた想いとはどのようなものなのでしょうか。
まず“以心伝心”というのは言葉そのままの通り。
“心を持って心を伝う”ということです。従業員みんなが心を通わせて、言葉を使わなくても心を伝えることができる。そういう仲間になろう。第二の家族になろう。家族であり、時には厳しいことも言い合える。
そうしてお互いを高め合っていこうという想いが込められています
社員を家族のように大切にし、お互いを高め合うことができる会社ってすごく素敵ですよね。またこの以心伝心という言葉は社用車や名刺などにも書かれており、とても大切にしている言葉なのだと僕の心にも伝わってきました。
この以心伝心という言葉は先代の福島社長が気持ちを込めて、うちの会社のキャッチコピーにしようと決めたものなんですよね。
だから私たちが一番大切にしている言葉であり、様々なところにこの言葉を書いています。
周りからも福島工務店という社名よりも、以心伝心の会社という風に覚えていただいているケースもあって、我が社のアイデンティティなんです
僕は取材で初めて福島工務店さんを訪問させていただきましたが、何度もこの言葉を目にし、気づけば自然と覚えていました。
では2つ目の勇往邁進という言葉にはどのような想いが込められているのでしょうか。
勇往邁進。この言葉には、“目標を明確に立ててそこに向かって邁進していくんだ!突き進んでいくんだ!”という想いが込められています。
福島工務店ではまず初めに大きな目標を定めるんですね。そしてその目標を達成するために、逆算をして細かい目標を立てる。そしてそれを日々の仕事に落とし込むといった流れを構築しています
最初に目標を明確にする。それを逆算して戦略や計画、タスクに落とし込む。そうすることによって会社全体で進むべき方向が明確になり、社内の団結力が高まるのではないかと感じました。
では3つ目の一日一生という言葉にはどのような想いが込められているのでしょうか。
一日一生。これは一日一日を大切に生きていない人は一生を大切にできないという意味の言葉です。
これは僕の人生論にもなるんですけど、人生の中には誰にでも大きなチャンスが3回訪れると考えています。
このチャンスを拾えるかどうかは毎日を大切にできているかどうか、日々努力をしているかどうか。努力をしていない人はこのチャンスが目の前にきても見えもしないんです。
努力をしている人はチャンスをしっかりと見て、掴み上げることができるのです。このチャンスをものにするためにも一日一日を大切にしていこうという想いが込められています
森社長のお話から、福島工務店のみなさんは一日一日を大切に生きているんだなと伝わってきました。この一日一生という言葉。僕の人生においても大切にしたい言葉だなと思いました。
一つひとつにしっかりと想いが込められた企業理念を掲げ、日々事業を行っている福島工務店さんですが、社内の雰囲気とはどのようなものなのでしょうか。
企業理念の中でも特に大事にしている以心伝心という言葉に込められた想いがしっかりと実現されているのですね。社員同士が家族のように仲が良くて距離の近い会社ってすごく楽しそうですね!
企業理念や掲げた目標というのは、言葉のままで終わってしまっては意味がないと思うんです。
私の座右の銘は有言実行。誰かに対して言葉にしたことを実現するために必ず動く。
これをしなければ言葉にする必要もありません。
特に会社においては企業理念や大きな目標があるのですから、この有言実行という言葉はとても大切にしています
森社長の座右の銘も企業理念である勇往邁進という言葉と繋がるところがあるんですね。福島工務店では、企業理念として掲げているこれらの言葉を本当に大切にしているんだなと感じられる森社長のお話でした。
ではこれらの理念を社員さんに浸透させるために森社長はどのようなことを行っているのでしょうか。
月に一度社員全員で集会を行い、必ず全員で企業理念を唱和します。また社員証の裏に書いてあったり、名刺に書いてあったりと、常に目に見えるところにあるようにしています。
そういう地道なことを繰り返して社内に浸透させて、企業理念を大切にした活動をしています
常に企業理念が見える状態にしておくことで社員のみなさんに浸透させてきたのですね!
取材中、視界に入ってきた企業理念が記されたモノには森社長の社員さんに対する思いが込められていました。
建設業界の男くさいイメージを払拭したい!福島工務店の展望について
3つの言葉を企業理念に掲げ、日々を大切にし社員皆さんで心から連携し、大きな目標から逆算して事業を行っている福島工務店さんですが、今後の目標としてどのようなことを掲げているのでしょうか。
近々やろうと思っているところから言えば、来年福島工務店が50周年を迎えるので会社のロゴマークや看板を一新しようと思っています。
また大きなことで言うと、2027年には女性だけのチームを作る。そして2030年には女性社員の数を3分の1まで増やす。というように女性の雇用に力を入れていきたいなと思っています。
女性が過ごしやすく活躍できる環境を構築することで建設業界の男くさいイメージ、近寄り難いイメージというものを払拭していきたいと思っています
やはりここでも企業理念である勇往邁進という言葉に込められた想いである、目標を逆算して考え、それに向かって突き進んでいくことを実践しているのですね。建設業のイメージを変えたい。まさにこの業界のイノベーター。
続いて森社長から学生のみなさんへのメッセージをいただきました。ご自身のこれからを考える上で参考にしてみてください。
学生さんたちに伝えたいことは、人と人との繋がりを大切にしてほしいということです。
出会った縁を一つひとつ紡いでいく。そうするとその縁がまた縁を呼ぶ。そうすることで自分が困った時に必ず助けてくれる人がいる。自分を押し上げてくれる。また自分も押し上げてあげる。
人として生きている以上、恩を大切にして生きていってほしいと思います。これは一番大事なことだと思っています。こういう想いを持ってぜひ社会で活躍してほしいです
一つひとつの繋がり、縁を大切にする。まさに以心伝心の精神ですね。
続いて就活など自分のキャリア選択に悩む学生のみなさんへアドバイスをいただきました。
私は直感を大事にしたほうが良いと思います。私も多くの場面で直感を大切にしています。
キャリア選択というのは考えればキリがありません。それは皆さんの可能性がどこまでも広がっているからこそです。
しかし、いつかは選択しなければならないタイミングが来る。その時、最終的に信じられるのは自分の直感。“自分がやりたいこと”“興味関心を持ったもの”を大切にするように、自分の感覚へ素直になることが大切なんじゃないかなと思います
キャリア選択となると色々と考え込んでしまう人も多いかと思いますが、森社長がお話しされたように“自分が直感的にここだ!と思った道を迷わず選ぶ”ということも大切なのかもしれませんね。
では最後に福島工務店さんに似合う人物像はどのような人なのかお聞きしてみました。
裏表がない人です。
仕事に関わる全てのことにおいて真っ直ぐ向かってきてくれると私たちも真っ直ぐ返すことができるんです。
逆に自分を偽ったり、考えを押し潰した状態で接していてもいつかは信頼関係が壊れちゃうんですね。だから真っ直ぐ向かってきてくれる人。
そういった人と一緒に仕事をしていきたいなと思いますし、福島工務店の社員のみんなはそういった人ばかりかなと思います
裏表なく真っ直ぐに人と向き合い、突き進んでいく。これは人としてもとても大切なことだなと感じました。
福島工務店さんのお話を伺って
今回は以心伝心、勇往邁進、一日一生を企業理念として掲げ、福岡県を中心に型枠工事業を営まれている福島工務店の森社長に取材させていただきました。
森社長のお人柄、そして型枠工事というお仕事にかける熱い想いについてたくさんお伺いすることができました。
また企業理念一つひとつに込められた想いについてもお伺いし、これらが社員一人一人にしっかりと浸透し、事業だけでなく、それぞれの人生においても大切にされているんだと分かりました。
そして印象に残っているのは、森社長の言葉から福島工務店の仕事への誇りとやりがい、そして社員のみなさんへの愛情が何度も伝わってきたこと。
ぜひ多くの学生さんに知ってほしい企業さんだと心から感じました。
福島工務店さんについてより詳しく知りたいと思った方はぜひホームページなどを見てみてください!
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