『行ってきまーす!』
そう言って家を出て、普段から何気なく通っている道路。
みなさんは、「もし道路がなかったら…」と考えたことがありますか?
もし、道路がなかったら、
・遠くの人と会うこと
・物の取引をすること
・情報や文化を運ぶこと
などはできません。
道路は人や物だけでなく、人の思いや愛情の行き来にも役立っているのです。
このように私たちの生活になくてはならない道路を中心に、今や舗装・土木・建築(注文住宅)・造園工事まで幅広く手がけるのが、福岡県田川市にある九州ノザワ株式会社。
今回ナビラズでは、代表取締役の加納仁志(かのうひとし)社長に取材させていただきました。
九州ノザワ株式会社がどんな会社なのか、また社長ご自身のキャリアや学生に対して伝えたい想いを熱く語ってくださいました。
ぜひ最後までご覧ください!
九州ノザワ株式会社とは?
福岡市内から1時間半ほど車を走らせると、だんだん広がってくるどこか懐かしい景色。
そう、ここは福岡県田川市です。
「月が~出た出た~月が出たヨイヨイ」でお馴染みの炭坑節発祥の地でもあり、炭坑節に歌われる「二本煙突」や国内初のユネスコ世界の記憶にも登録された「山本作兵衛コレクション」など、数々の炭坑遺産を有する自然・歴史・文化が薫る町・田川。
この町に住む人々の生活を支え続けている九州ノザワ株式会社(以下:ノザワ)の代表取締役・加納仁志(かのうひとし)社長。

弊社は1973年(昭和48年)に道路舗装の専門業者として創業し、地域の方々の多様なニーズにお応えすべく、土木・建築・造園分野へ事業を拡大してきました。
これまでに蓄積してきた技術力やサービス力が認められ、特に公共事業では多数の工事実績があります
また、ノザワさんは大型の公共事業で培ったノウハウを企業様や個人のお客様にも提供するために、「住宅事業部(リーベンホーム)」「不動産事業部(エーワン地所)」「外構事業部(EG工房)」「建設事業部(ノザワ)」の4事業部体制を組んでいます。
これによって、各事業部が専門知識や技術を磨き、ときには単独で、またときには連携して業務に取り組み、九州ノザワ株式会社が一体となって質の高いサービスをお客様に提供しています。
そんなノザワさんではどのような人が働いているのでしょうか?

自分の仲間を大切にする人が本当に多いですね。
自分の仲間を大切にできない人はお客様を大切にできないと思うんです。
会社はお客様からお金を頂いて存続することができ、社員である私たちの生活も支えられています。なのでお客様は絶対に大切にしなければいけないし、大切にできない人はこの会社にいてはいけないと思っています
では社内でも「助け合いの精神」が根付いているのでしょうか?

そうですね。
一人の社員さんが自分の都合で休むとなっても、周りの社員さんがすぐに“楽しんで来いよ!”とか“あとは任せて、ゆっくり休んで来てね”と声を掛け合っているんです。
そして休日を楽しんだ社員さんは、お土産話とともに楽しく出社してきます。
このような光景をみていると、社員さん同士が助け合って仕事をしているという実感を改めて得ることがあります
本当の仲の良さというのは、誰かが助けて欲しいときにすぐ手を差し伸べてあげられるかどうかだと私は思います。
自分への利益がどうかは考えず、純粋に相手を助けたいという思いを持っているノザワの社員さんは心が素敵な方々なのだろうなとこのエピソードを聞いて感じました。
九州ノザワ株式会社の社長ってどんな人?
加納社長はどのようにしてノザワの社長になったのでしょうか?

ヤマシ!?ヤマシとはなんですか?

ヤマシとは“山師”と書き、山を歩き回わって鉱脈を見つけたり鉱石の採掘を行う人のことをさします。
昔、田川は炭鉱を生業としている人がほとんどで、私の祖父は石炭の層を見つけては別の土地へ移動するといったように、住む場所を転々として仕事をしていました
ヤマシとして働くお祖父様の子供として生まれた加納社長のお父様は、加納社長が中学校二年生の時に道路舗装業を主とした会社を立ち上げます。
その頃から加納社長はお父様のお手伝いをするようになりました。
同級生が年末に暖かい家でぬくぬくとテレビを見ている間、加納社長は冬の雪が降り積もった道路の雪かきをしたり、真夏の陽が照りつける中、180度のアスファルトを敷均し、新たな道路を作ったりするなど、友達と遊びたい気持ちを抑えて現場に行っていたそうです。
幼い頃からご両親が働く姿を一番近くで見てきた加納社長。幼い頃からご両親のようになりたいという気持ちがあったのでしょうか?

正直言うと、とてもやりたくなかったですね(笑)。
どれだけこの仕事が大変なのかを痛いほど分かっていましたから
そんなふうに考えていた加納社長は大学卒業後、東京で税理士資格の取得を目指し勉強したそうです。
講師の仕事をしながらの勉強だったので簡単には合格できずに途中でくじけそうになりましたが、10年かけてやっと税理士の資格を取得することができました。
そこまで努力して税理士になったのであれば、税理士として生きていく道もあったと思いますが、どのようなお考えから現在のキャリアを築くことになったのでしょうか?

やはり、これまで両親がコツコツ頑張ってきた会社を潰すわけにはいかなかったんです。
自分のワガママで親の努力を無駄にするような行動を取ってしまえば、一生後悔すると思ったので会社を継ぐことを決意しました
加納社長は、これまで色々なキャリア選択があった中でお父様の跡を継ぐという選択をしました。
正直やりたくなかったと仰っていましたが、自らが置かれた状況をポジティブに捉えて会社を引っ張っていくという気持ちがお話からひしひしと伝わってきました。
では社長として働く上で大事にしていたことや社長自身のポリシーなどはありますか?

“自分がしたくないことは絶対に社員にさせない”ですかね。
会社を大きくする、利益を上げるという目的で、自分や身内はしないようなことでも社員にはやらせる。
例えば、理不尽な相手との取引を続けさせる、嘘をつかせる、社員の家族の存在を無視したような条件で働かせる、そんな会社もあると思います。
それよりも、楽しく、誠実に、家族との時間も大切にしながら働いた結果、取引先から支持されて利益が上がり、会社が大きくなっていく、という方が幸せだと思うのです。
なので、自分だったらやりたくないと思うことは社員にはさせず、一人ひとりに愛を持って関わるということが私のポリシーであり会社の理念にも繋がっています
どこの会社であっても、全てにおいて最終的な決断は社長が行います。
つまり、社長自身の持っている理念が会社の理念に現れると加納社長は言います。

ノザワの理念は“社員、取引先、地域・社会を愛し皆に笑顔と満足をお届けできる価値ある人間集団を創造します”です。
これは全社員の成長やチャレンジをしっかり応援することで、ビジネスマンとしての行動力や積極性、目標へのひたむきさを育みます。
その中で培ったスキルや相互協力の意識を“お客様の満足を創出できるサービス”に生かし続けます。
そうすることで、“地域社会に必要とされる企業”を目指します。
それが、九州ノザワ株式会社の理想とする姿です
社員、取引先の方々、そしてお客様に価値あるものを提供したいという気持ちはもちろんですが、特に今回ノザワさんの取材で私が感じたのは
『地域社会に必要とされる企業になりたい』という強い思いです。
それは恐らく長い間、田川という土地に根差し、地域の方々と関わり深く活動してきたからこそのお気持ちなのではないかと思いました。
田川愛に溢れる加納社長が思う、田川のいいところは何ですか?

昔、田川で炭鉱のお仕事をしていた人は、毎日が命がけでした。なので、いつも大切な人との別れを意識して過ごしていたんです。
そのため、気風が良くて、情に厚く情にもろい反面、上辺だけの言葉や態度は簡単に見透かされるんです。
相手と真正面からぶつかり分かり合おうとする人が好まれる土地柄だと思います
社員、会社、そして地域への愛に溢れた加納さんが、社長に就任して感じたことや記憶に残っている出来事はありますか?

父が亡くなるまでの3年間、一緒に仕事をしたことですね。
この時に社長と社員の立場のギャップを思い知らされたんです。社員は与えられた仕事をどれだけ効率よく終わらせるかを考えると思うのですが、社長は仕事自体を作らなければいけない立場なんです。
することが全く違うので戸惑いながらも必死に父の姿を追いかけていましたね
皆さんも学生生活の中で一度はこのギャップを感じたことがあるのではないでしょうか?
例えば、高校の運動会。
一年生の時は、先輩から教えてもらった踊りをいかに早く覚えるか必死になっていたと思います。
しかし三年生の時はどうでしょう?
見ている人を感動させるために、振り付けを一から作り、フォーメーションや音楽も考え、作ったものをできるだけ分かりやすく後輩に教えるなど必死に頑張っていたと思います。
このように立場や与えられている役割によって見ている視点がこんなにも違うのです。

しかし、このギャップに対する苦しさというのはほんの一部で、実際に社長という立場になってみると、想像もしていなかったことばかりでした。
父が亡くなるまでは副社長として働いていましたが、その時はまだ何かあってもバックには父親が付いていると心のどこかで甘えていたんです。
でもいざ父が亡くなると、今まであった後ろ盾が無くなってしまい全ての責任を負うことになってしまったと感じたのを鮮明に覚えています。
そこで私は初めて、社長とそれ以外の役職の責任感にはこんなにも差があるのかと気づきました
“社長”という責任感の重さに押しつぶされそうになったことも多かったと思いますが、それでも頑張ることができている理由はなんですか?


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今の学生に伝えたいこと
そんなノザワに必要な人材はどのような人でしょうか?

“人に好かれる人”ですかね。
特に田川では商品のウンチクや他社との細かい金額の比較よりも、気に入った人の言葉を信じて買う人が多いので、商品知識をしっかり習得したうえで、あとは商品や金額のプレゼン力を磨くよりも、相手に好かれる人間力を磨いた方が活躍できると思います。
実は私には人生の目標があるんです。
それは、死ぬ時に本気で自分のために泣いてくれる人を増やすことです。
正直、その目標が達成しているかどうか確かめるときはもう死んじゃっているので見えないんですけどね(笑)。
でも残された家族が救われると思うんです。お父さんはこんなにも信頼されてたんだなって子供が誇れる自分でありたいですね
子供に誇れる自分になるために、今もコツコツと頑張っている加納社長ですがもう一つ大きな目標があるそうです。

やはり“土木”と聞くと、周りの方々からすれば機械音がうるさかったり砂埃が舞って良くない印象を持っている方も少なくないと思います。
しかし、土木が無いと快適な生活が送れなかったり、もし災害が起きた場合、目の前で救える命え救えないときがあると思います。
そういった人の命を支える重要な仕事であることをもっとたくさんの方に知ってもらいたいと思っています
そのほかに、加納社長は積極的に青少年育成のボランティアに参加しています。
子供たちの野外活動を支援し、火の起こし方やお米の炊き方など、身も心も豊かになれるようなサポートまで。

参加者の中には、勉強が苦手で自分に自信を無くしている子もいるんです。
その子が活き活きと活動しているところを見て、その子の輝けるポイントを見つけることも大切だなと感じました
人が輝く環境は、人それぞれ。
それを見つけ、自分の価値を生み出すことは働くうえで重要なことだと思います。
また、ノザワさんでは、自分の価値を生み出すだけではなく、その価値を他人に与える『ギブアンドテイク』の精神を持っている人が向いているのではないかと加納社長は言います。
最後に就職活動を始める、または真っ最中の学生に向けて伝えたいことはありますか?

お金がすべてではありません。なので、会社の大きい小さいだけで選ぶのではなく、自分の幸せのために会社を選んで欲しいんですね。
だって一日の大半を会社で過ごすのであれば、自分の徳を積める環境を選ぶことが大切だと思います。
加えて、会社=経営者だと思います。
社長の考えはストレートに会社へ影響するものです。
例えばノザワで言えば、社員が工事現場から帰って来てスッキリできるようにシャワー室を作ったり、仕事の合間に社員同士で楽しめるよう娯楽スペースもあります。
このようにお金の使い道一つをとっても社長の考えがはっきり見えるんですよね。
自分にとってどんな会社がいいのかは、社長の話をじっくり聞いてみるのが一番良いと思います
最後に
いかがでしたか?
今回は九州ノザワ株式会社の代表取締役である加納仁志社長に取材させていただきました。
ノザワさんの事業内容をはじめ、加納社長が社長になった経緯やそれに対する思い、そして学生に大切にして欲しいことなど、沢山お伺いすることができました。
また、読者の中には記事のトップ画像に書かれてある『良樹細根』という言葉が気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この言葉は、“大きく立派な木ほど、見えない地面の下で細かい根をたくさん広げている”という意味です。
人も立派になりたければ、表面ではなく見えないところの根を細かいところまでしっかりと張り巡らす努力をすることが大切だと思うのです。
見えないからといって一つ一つのことをおろそかにせず、根っこをより深く、より広く、より多く張りめぐらせようと絶え間ない努力をされている加納社長にぴったり。
この言葉は私にとって心に響くものがありましたし、今後何か頑張ろうとしている人、そしてもうすでに頑張っている人の励みになったのではないでしょうか。
素敵な考え方と優しい愛に溢れる九州ノザワ株式会社の詳しい事業内容などを知りたい方は是非HPを訪れてみてくださいね!!
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