「九州でNo.1の強度、ドーケンでしかつくれないものをつくっています!」
そう自信と誇りに満ち溢れて語るのは、株式会社ドーケン製造部次長の森山浩二さん。
価格が重視される今の世の中で、輸送費をかけてでもドーケンさんの製品を購入したい企業が九州だけでなく関西方面にも多くあります。
本当に求められるモノを製造する株式会社ドーケン(以下:ドーケン)さんは福岡県飯塚市に本社を構えます。
今回はドーケンさんから、製品の品質に直結する生コン課の森山さん、吉田さんにインタビュー!
まずは多くの仕事を知りたい!選択肢を増やしたいと考える学生さんにぴったりの記事になりました。
ぜひ最後までご覧ください。
まるで生き物!?コンクリートの奥深さを知る。
早速ですが、みなさんはコンクリートと生コンクリートの違いを知っていますか?
僕はなんとなくわかるようでわからない、そんな印象です。
また、そもそもコンクリートはどのようにつくられているのでしょうか?
森山さんによると、コンクリートの原料は、セメント・水・砂・砂利等。これらを混ぜ合わせて時間を経過させ、固まったものがコンクリートと呼ばれるものだそうです。
このコンクリ―トの製造過程で、セメントや水、砂利を混ぜ合わせた直後というのは、実はドロドロしている液体で、これを生コンクリートと呼びます。
つまり、コンクリートは原料を混ぜ合わせ硬化したものであり、原料を混ぜ合わせた直後の流動性のある状態を生コンクリートと呼ぶそうです。
ということで、生コンクリートの奥深さをはじめ、ドーケンさんの業務の魅力に触れていきましょう!
まずお伺いしたのはドーケンさんの事業について。
ドーケンが事業として扱うコンクリートはプレキャストコンクリートと呼ばれるものです。
プレキャストコンクリートとは、現場から離れた工場であらかじめ必要な形状の製品を製造して、現場に運搬し組み立てていきます。
また、一般的には現場で型枠を組み、そこに生コンクリートを運搬し流し込み製造する工法もあります
工場で製造されたコンクリートを輸送し現場で組み立てることによって工期が短縮しそうですね。
では、ドーケンさんが誇るコンクリートの強度は、建設の現場でどのように活かされているのでしょうか?
まず簡単に想像できる利点で言うと、コンクリートの強度が高いものほど地震などに対して強くなりますよね。
しかしそれだけが高強度コンクリートの利点ではなく、例えばマンションなどでは居住面積が広くなるんです!
仮にマンションに設置される柱の断面積が1平方メートルだとします。
例えばその柱の強度が高くなれば柱の断面積が小さな柱になります。
もちろん全ての柱が小さくなるわけではありませんが、強度が高いコンクリートは人の住むスペースを増やしてくれるんですよ!
すごい!!
コンクリートの強度は僕が想像していたよりも、かなり身近に僕たちの生活に関わっていてビックリしました!
では、森山さんと吉田さんが所属する部署は、ドーケンさんの事業にどのように関わっているのでしょうか。
私たち生コン課の役割は、コンクリートの品質管理担当です。
案件ごとにコンクリートの強度や品質など様々な条件が掲示されます。
その条件をクリアした生コンクリートが製造できているか。
フレッシュ試験・テストピースの採取による強度確認を行い、データを管理しています。この試験を繰り返して、求められる生コンクリートを管理していくんです。
コンクリートは材料の配合によって強度や色が変わるし、同じ材料の比率でも気温や湿度によって品質が変わるという奥深いモノなんです。
そのコンクリートと日々向き合うことが私たちの仕事です
同じ材料でも品質が変わるんですか!?
実は私が入社した時の上司から、生コンは“いきもの”と言われていました。
繊細だと教えられてきたんです。
実際に、生コンを作った状態から時間が経過すると、質が全く別のモノに変わることもあります。
コンクリートの品質って、原料だけでなく、湿度、気温、混ぜ方、混ぜたときに自然と入る空気など様々なものに影響して決まるんです。
だからこそ、適正値の範囲内に収める仕事ってほんとに難しくて奥が深いんです
えっ!湿度や空気の量で品質が変わるなんてビックリです!!
吉田さんもやはり、生コンクリートというのは奥深いと感じますか?
本当に奥深いです。
業務で毎日検査するのですが、同じ材料を使っているはずなのに、必ずしも同じ値になるとは限らない。
そういう点が本当に興味深くて面白いと思っています
材料だけでなく、混ぜ方でも変わるなんて奥深すぎます!
奥深さと同時に、森山さんや吉田さんの試行錯誤の毎日があることを想像しました。
“いきもの”であるコンクリートと向き合うからこそ必要な試験。具体的にどのように行われるのでしょうか?
生コンクリートが練り上がったらまずフレッシュ試験を行います。
試験項目としてスランプ試験・空気量試験・塩化物含有量試験・コンクリート温度試験・圧縮強度用供試体採取等があり、それぞれの項目が規格内であることを確認し、合格を出した生コンクリートだけを製造します。
そこから、時間の経過とともに硬化していきます。生コンクリートを製造した際に採取したテストピースにより脱型時、材齢7日、予備、と品質を確認しながら保証材齢28日圧縮強度が確保できているかテストピースで検査するんです。
定められた強度の許容範囲に当てはまるように28日後をイメージして配合の決定をしています。
これらが強度の確認のためのテストピースの作成です
ドーケンさんのコンクリートの品質に直結するテストピースの製造。とても繊細なお仕事なんだなと感じました。
環境が整っているからこそコンクリートと向き合える。
ここまでは、生コンクリートの奥深さやコンクリートがどのように私たちの生活に活用されているのかをお話しいただきました。
ここからはドーケンさんの働く環境についてお話を伺っていきたいと思います。
そこでまずご質問したのは森山さんと吉田さんのお仕事のやりがいについて。
私たちが行う業務の中で目にするのは生コンクリートや固まった後のコンクリートです。
ですが、街でドーケンの製品を使ってつくられているマンションや施設を見かけると、とても誇らしい気持ちになりますよ。
ついつい子どもに、“お父さんがした仕事だよ”と言っちゃいます
そうですよね。
私も実際に自分たちの携わったモノが使われた施設を見学に行ったことがあります。
“これドーケンのつくった製品なんだよ”と言われたときには、感動しちゃいました。
自分たちの仕事で生み出したモノが、現場の一部になっていたり、社会の一部になっていると嬉しい気持ちで一杯になります
モノづくりというのは、つくった人や携わった人にしか味わえない大きなやりがいがあるんですね。
なんだか羨ましい気分になりました。
では、逆にお仕事の中で大変な点はどんなところなのでしょうか?
お客様から求められる品質に対応することはやはり大変です。
もちろんデータを活用して論理的に製造することも重要ですが、経験値も必要な仕事なので毎日難しいなと思っています
少し大変だなと思うのは、多少は力を使う作業があるところですかね。
先ほどお話ししたテストピースが4kgほどあるので、これを運ぶ力仕事には苦労しています
やりがいの大きなドーケンさんのお仕事だからこそ、難しいこともやはりあるんですね。
では、森山さんと吉田さんがドーケンさんに入社したきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
私は、図面を書く設計士になりたいという夢を持っていました。
それがきっかけで、この会社に設計士として入社したんです。
2年ほど設計士として仕事をした後に、社長の想いの元、様々な部署を経験させていただきました。
社長の想いは”多様な経験をしてほしい”というもので、その経験がきっかけで生コンの奥深さを知ったこともあり現在の部署に長く在籍しています
森山さんのお話は現在、就職活動をしている僕にとってすごく参考になるものでした。
就職した後のことを考えると、入社のタイミングに持っていた希望は数年後の配属で変更となり、“自分が思い望んでいた仕事ができないのでは”と不安になることがあります。
実際に森山さんは設計士になりたいという想いがあった中で、今は生コンの製造をされています。
そこに関して森山さんはどのようなお考えを持っているのでしょうか。
現実として、自分がやりたい仕事ができる人は本当に一握りなはずです。
だからこそ任された仕事を、自分がやりたい仕事にするのが良いのかなと思います。
何事もポジティブに捉えて、まず様々なことに興味を持って調べてみる。
そうやって仕事の奥深さを知っていくことがきっかけとなって、また新たに自分のやりたい仕事が生まれて来るのだと思います
僕も社会人になった際には、任された仕事にまず全力で打ちこんでみます!
では、吉田さんの入社のきっかけを教えてください。
私は派遣社員としてドーケンの仕事に携わるようになりました。
そこで、多くの仕事をする中で“もうちょっとここで頑張ってみようかな、働いてみたいな”と思うようになったんです。
そこから、派遣からパートへ、パートから社員になって今に至ります
吉田さんが「もうちょっと頑張ってみようかな」と思えたことには、どんな理由があるのでしょうか。
ドーケンの皆さんとの関係が自分にすごく合っていて、とても働きやすかったんです。
仕事の悩みがある時は気軽に相談できますし、そういった環境があることに魅力を感じたんです。
1人で悩んでいるばかりでは上手くいかないことも多いので、些細なことも相談できる環境は、自身の成長や働きやすさに直結すると思います。
その環境がドーケンにはありました
実際に私もドーケンさんの事務所や工場見学をして、とても落ち着いていて穏やかな雰囲気を感じました。
ドーケンさんからは、人の暖かさを強く感じます。
学生に伝えたいドーケンの溢れる魅力
ここまでは、お仕事のやりがいやドーケンさんの働く環境についてお伺いしてきました。
ここからは、ドーケンさんの魅力をもっとたくさん聞いていこうと思います。
では、はじめにドーケンさんの魅力を思い浮かべると一番にどんなことをイメージされますか?
まずドーケンの事業の強みは、コンクリートの強度で最大120N/mm2の生コンクリートの製造が可能なところだと思います。
実際にそれができるのは九州だとドーケンくらい。
ある分野で一番のモノをつくることができる、それは自信や誇りに繋がっています
ここにしかない。自分たちにしかできない。
という自覚が、ドーケンさんの誇り、ひいては魅力に繋がるのかなと感じました。
その強みもあって、九州外からも依頼が来るんだと思います。
実はドーケンの取引先というのは、福岡よりも高層ビルが多い関西の企業が多いんです。
冷静に考えれば、福岡から関西に運ぶとなると、コストもかかるものです。
それでも、関西からお仕事をいただけるというのは、それだけ価値あるモノをドーケンが作っているという証拠なのかなと思います。
その点に私も誇りを感じますね
そう吉田が思ってくれるのも、先輩社員たちが積み重ねてきたドーケンの歴史とお客様からの信頼が、形になっているからだと思うんです。
業界としては狭くニッチな所かもしれません。
それでも、こういう仕事があるんだよということを学生に知ってもらいたいですね
自分たちにしかできない仕事というのは、かっこいいものですし、やはりやりがいも大きいのだろうなと想像します。
では、学生に誇れるドーケンさんの魅力を教えていただきたいです。
本当に働きやすいと思います。
実際に若い人が多くて、会社の雰囲気は和気藹々としている。
人の良さや人間関係というのはドーケンの誇れる魅力の一つだと思いますね
学生に誇れる魅力というのは、ドーケンの実績です。
学生さんも知っている建物や施設の建設に携わっていたり、県外の企業からも信頼を得ている。
そういったように仕事を堂々と誇れることは魅力だと思います
遠方からお仕事を受けるほど信頼されているドーケンさん。
そのワケをお二人のお話や人柄から感じることができました。
森山さんはこれまで築いてきたドーケンさんの誇りを未来に繋いでいく立場におられると思います。
そこで、若い人に求めていることはどのようなものなのでしょうか?
私の入社時からは時代が変わって、生コンの材料もかなり変わっています。
また、これから求められる製品の特徴もどんどん新しいものに変化していくはずです。
そういうことを踏まえて、様々な興味を持って自分なりに調べて、積極的に勉強していってほしいと思っています。
それが個人のスキルを上げることにも繋がるし、ドーケンの発展にも繋がると思うからです
時代に合わせて企業が発展していくためには、若い人のアイデアやエネルギーが必要だと考えていられるんですね!
では、逆に吉田さんがチャレンジしていきたいことはどんなことですか?
このお仕事をしていると基本と言われるコンクリート技士という資格があります。
その資格所得に向けて、現在勉強している最中です。
これをきっかけにもっと知識を深めてドーケンの発展に貢献していきたいと思っています
では、森山さんが見据えるドーケンさんの今後の展望はどのようなものなのでしょうか。
まず、仕事中は安全第一を心がけて事故が起きないようにすることです。
事故があったら何もできないし何も始まりません。
そのうえで次に品質です。お客様に求められるモノをつくること。
そうすれば、良い評価をいただいたり、“ドーケンにしか頼めない”と言われたりすると思います。
そこまで会社のレベルを上げていきたいですね。
先輩方の努力が今のドーケンの活躍に繋がっていると思います。だからこそ未来のドーケンで働く人のために、私たちも質の良い仕事をしていきたいです
株式会社ドーケンさんのお話を伺って
今回取材したのは、株式会社ドーケンさん。
ドーケンさんの特徴は、九州No.1の強度を誇るコンクリート!
その品質に大きく関わるお二人にインタビューしました。
社会で働くというのは、自分のしたいことが必ずできるというわけではないかもしれません。
それでも、任された仕事に興味を持って取り組むことはすごく大切なのだと、この取材を通して感じました。
この記事を読んでくれたみなさんが、楽しい日々を過ごすことを願っています。
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