照栄建設株式会社の応接室。窓を開けると、目の前には桜が並び、悠々と那珂川が流れています。
「時期になると、景色が満開の桜でいっぱいになるんです。こんな大きな窓、無駄と言ったら無駄かもしれませんが、ゆとりといったらゆとりとも言えますね」
と、照栄建設株式会社代表取締役の冨永社長が、ユーモアを混ぜながらお話ししてくださいました。
今回、取材をさせていただくのは、南区向新町に立派なオフィスを構える照栄建設株式会社。
49年もの間、地域に密着し、その暮らしを支えてきた建設会社です。
お話しいただいたのは照栄建設株式会社の冨永社長。
長きにわたり福岡の地場を支える照栄建設株式会社の魅力がたっぷり伝わる取材になりました。
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照栄建設の社長になるまで好奇心とともに歩んできたキャリア
冨永社長のキャリアをお聞きすると、まずはそうお話ししてくださいました。
福岡出身で大学進学は東京へ行き、仏教を全般的に学んでいました。その後、大学院に進学をします。
我々が高校生の頃は進学率は低かったんです。大学に進学すると新聞に名前が載るくらい珍しいことだったんですね。
なので大学進学に憧れていたこともあったし、好奇心もありました
冨永社長とは取材前の打ち合わせ段階でたくさんお話ししたことがありましたが、とっても生き生きとされている方だなというイメージを持っておりました。
その理由の一番は、たくさんの新しい知識を持っていることでした。
知識というのも、新聞に載っているような情報はもちろん、若い世代の流行りにまでも敏感なんです。
巷を賑わす『鬼滅の刃』は全巻揃えているようですし、流行りの恋愛映画もしっかりチェックしていました。その理由を尋ねると「若い世代の感性に対する好奇心があるから」とお話してくださいました。
冨永社長は、大学院を卒業後、ご家族が経営されている幼稚園に勤め、副園長としてご活躍されていました。
幼稚園で働きながら、福岡大学の社会人学部で学ぶことも決断したようです。
当時、福岡大学に社会人として働きながら夜間に勉強することのできる社会人学部ができたんです。私はそこの2期生です。
主に臨床心理の分野を学んでいました。当時はカウンセリングが脚光を浴び始めたタイミングだったんですよね。1991年に『羊たちの沈黙』という映画が流行ったこともあって、私もカウンセリングという分野にとても興味があったんです。
幼稚園の仕事にも役立ちそうだなという思いが半分、好奇心が半分くらいで通うことを決めました
そして、ご結婚を機に照栄建設側からお誘いを受けて、今に繋がっているようです。
幼稚園と建設業は、とても遠い場所に位置するように思えますが、冨永社長はどのようにお考えだったのでしょうか?
もちろん、そのギャップは感じていました。
しかし、働いていく中で幼稚園と建設業の共通点を見つけたんです
幼稚園と建設業の共通点。一体何なのでしょうか。
それは人が大切ということです。
幼稚園には先生がいて、園児がいます。人がいなくては成り立たないものなんですね。実は建設業も『人』なんです。
街を見渡せばたくさんの建造物がありますが、機械だけで造られたものなんかありません。人が、人の手によって作り上げていくんです。
だから、やっている仕事は違いますが、人との繋がりが大切ということに関しては変わりないものなんです
なるほど。「建設も人」という言葉はなかなかイメージしにくいものでした。
現代はすごいスピードで機械の技術が上がっています。
しかし、やはり人間が持つ細かな技術には敵いません。
あと1つ、建設において人が重要とされることがあります。それは他の企業さんと関わるからなんです。家を建てるにしても我が社だけで仕事が完結することはありません。
現場で働く技術者さんたちとの連携も必要になりますし、全体を支える事務の人たちともうまくコミュニケーションを取らなければ上手に進まないのが建設なんです
ここまでお話いただいて「人がいて初めて建設は成り立つ」という冨永社長のお言葉が、僕の中でストンと腑に落ちました。
照栄建設の未来を考える
3代目社長としてご活躍するうえで、大切にしている思いについて尋ねてみました。
100年続く企業として存在するためにはどうすればいいのかを考えることです。
企業っていうのは人間と同じなんです。人間が長生きしようと思ったら健康に気をつけなければいけないでしょ?それを企業でも考えないといけないんです
企業も人間と同じ。では、企業の健康を保つためにはどうすればいいんだろう。
会社がまだ若いうちはそんなこと考えなくていいんです。
社員に給料を払わなければいけないから売り上げをあげることに集中してしまうのは当たり前なんです。
これは人間でも同じことが言えますよね。若いうちはいいんです、健康のことを気にしなくたって。多くの人が何もしなくても健康でいられますからね。
しかし、どんどん歳をとるに伴って気にしなければいけないことが増えていくんですよ
例えば健康に気をつけようと思えば、水道水じゃなくてミネラルウォーターを飲みます。
好きなものを食べてばっかりではなく、栄養を気にして食事を選びます。
家でゆっくりしてるだけではなく、外に出て運動をします。
これらに共通するのは時間をかけられるかどうかってことなんです。
企業でも同じことが言えます。自社の将来を考えて活動できるかどうかが、企業が長く健康でいられるかどうかの別れ道なんです
では照栄建設さんではどのようなことに気をつけて「健康」を維持しているのでしょうか。
どのようにして社員が輝ける環境をつくっているのでしょうか。
社員さんがスキと思える仕事ですね。しかし、どのようにしてそれを提供しているのでしょうか?
自分で見つけることが一番重要なんです。他人からアレやれコレやれと言われた仕事を好きになるのは簡単なことじゃないんですね。
だから、私が社員に話すのは『自分がどうなりたいのか』、『あなたの目標は何なのか』を考えてもらうということです。そうすると、決めた理想や目標がその人の心を動かす源となって、仕事に繋がります。これが高じてスキな仕事に繋がるんですね
他人に言われたから行動するという受動的なものではなく、照栄建設さんの環境を使って自分の目標を決めることで主体的な行動を起こしてもらうという冨永社長のお話からは、社員さんとの信頼関係が目に浮かびました。
と話されると手帳の中からあるものを取り出してくださいました。
この冊子を作ったことに懸ける思いというのはどのようなものだったんでしょうか。
これはどの会社にも言えることですが、生まれも育ちもバラバラな人たちで構成されるのが会社というものなんです。
もっというなら、価値観も違えば、会社で働く理由だって違うんです。幸せのために働く人もいれば、健康のために働く人も、お金のために働く人もいます。
それで良いんです。人それぞれに思いがあることはある意味とても重要なことですから、そこに関しては尊重します。ただ、照栄建設はどんな会社で、どんな思いを持った会社なのかを知ることもとても重要なんですね。
我が社の思いや考えというのは、全てお客様の願いを叶えるためのものです。その思いや考えを働く人みんなで共有することで、お客様のために働くことができると言えます
そのような理由があって会社の思いを共有しているんですね。
「理念経営」という言葉はよく大学の講義でも耳にしていましたが、実際に企業の社長さんからお話を聞くとその具体性が良く伝わりました。
ふと、冨永社長の取り出した手帳に目をやると、そこには見覚えのある柄が。
そう博多織の「献上柄」です。実は以前、博多織をテーマにした取材を行ったことがある僕の名刺入れも博多織でできた物。博多織の話で一頻り(ひとしきり)盛り上がると、冨永社長が身につけてらっしゃるネクタイも見せてくださいました。
オリジナルネクタイ!しかも博多織なんてとても素敵です。
分からない人には分からない話かもしれませんが、こういうふうに会社のメンバーで同じものを身につけるだけで統一感が生まれるんです。
先に話したように、照栄建設では思いや考えを共通認識することを大切にしています。こうやって見た目を揃えることも重要な要素の一つだと思っています
会社が健康であるために、さまざまな工夫をしていらっしゃる冨永社長。
他にもこんなエピソードがありました。
照栄建設では毎月一度、朝礼というものをするんです。そこでは私が社員に向けていろいろな話をします。
ただ、照栄建設も少なくない社員数ですし、コロナのことも考えて中止にしたんです。
しかしそのまま朝礼をやめてしまっては、意思の疎通が図れないと考えたので毎月一回社員に対して文章を送ることにしたんです
文章!?
私が社員に向けてメッセージを考えて書いているんです。文字で伝えるということはとても大切だと思っていて、さっきの冊子を作る際にもそう考えていました。
文章にして伝えることが重要なんです。そして、ただ書くだけではなくて毎回みんなの反応をうかがって書き方を変えてみます。
ただ書くだけでは意味がありません。どうすれば伝えたいことが伝わるか工夫して書いています
照栄建設株式会社を人が集まる企業に
冨永社長はこれまでのキャリアでたくさんの経験をされています。
しかし、この記事を読む学生はこれから本格的にキャリアを形成していくところ。
就職活動をその一歩目として捉える学生は少なくありません。そんな学生たちに、人生の先輩として冨永社長から何かアドバイスをいただきました。
私もいろいろな経験をして生きてきました。挫けそうなこともたくさんあったし、諦めそうなこともたくさんありました。
けど、それって誰しも経験することなんです。照栄建設の社員も若いうちにたくさんの苦労を乗り越えて今につながっています。
やっぱり苦労というのは誰しも経験するものなんですね。
苦労をしない生き方もできるとは思いますけど、若いからこそ苦労するものなんです。なぜかというと、人生を送るうえで大切になることはほとんど社会に出てから学ぶんです。
もちろんこれまで学校機関で学んだことも活きることはあります。といっても生きていくうちの3割程度だと私は考えています。
つまり、何が言いたいかというと若いうちに苦労するというのは当たり前ということです。これまでしたことのない経験をしていくからです
確かに僕も学生として学びながら社会に出て働くということをしますが、社会で必要なことは社会で学んでいるというイメージです。
そうそう。それは当たり前なんです。
だから大変な時に大事になるのは『自分を知っているかどうか』なんです。自分を知っていれば『何のために頑張るか』に気が付けるからです。
初めから輝ける人なんてなかなかいないんです。輝けるまでどれだけ努力できるかが大切ということです
冨永社長のお話はとても説得力のあるものでした。
スキな企業を見つけるというのは難しいことだと思います。自分が何が好きか分からないこともあると思いますし、スキかどうか判断する材料が情報として発信されていないこともあります。
それは確かにそうですね。会社の説明会を受けても、会社の歴史を話されて、事業を詳しく説明されて、あとは給料がどうとか休みはどのくらいあるとか、そのくらいがほとんどでしょう。
だから我が社はこうやって取材を受けたりしてオープンに情報発信しているんです
就活生にとって、とてもありがたいことだと思います。
できるだけ多くの情報に触れて欲しいですからね。
あとは“野生の勘”ですかね。『もしかしたらこの企業スキかもな』という思いも大切にしたほうがいいですね。
入る前からスキかもしれないっていう思いも大事ですし、働いてみてこの仕事スキかもって思ってもいいんです。これは会社にとっても大切なことなんです。まずは人が集まることが重要です
そ照栄建設さんでは「集まる企業」をコンセプトにされています。どのような思いからこのコンセプトを定めたのでしょうか。
やっぱり集めるというのはとても大変なんですよね。
だからこそ、会社に人が集まることを大切にしています。人が集まると情報が集まるんです。そうするとそこで仕事が生まれます。それが価値に変わっていくんです
ここまでお話いただいたことはどれも「会社の健康」につながっているということですね。
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照栄建設株式会社さんのお話をうかがって
「100年先も輝く会社を作りたい」と真剣な面持ちで話してくださった照栄建設株式会社の冨永社長。
そのお言葉を実現するように、照栄建設では多様な取り組みをされていました。
若い世代の思いも大切にしつつ、先人たちの知的な資産をフル活用する照栄建設さん。
今後とも照栄建設さんの活動から目が離せません。
詳しい事業内容など知りたい方はぜひ下のリンクから照栄建設さんのホームページを訪れてみてください!
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