【株式会社糸島みるくぷらんと】牛さんの想いを受け取った酪農家の愛情をのせて。

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前回の株式会社糸島みるくぷらんと(以下:糸島みるくぷらんと)さんの取材では、宮﨑英文社長にお話をうかがいました。

宮﨑社長から“糸島みるくぷらんとさんができるまでの歴史や苦労”、“商品のおいしさの秘訣”を聞いて気がついたのは、全ての工程において酪農家さんたちが“こだわり”と“牛さんへの愛情”を注いでいることです。

前回の記事は以下からご覧になれます!ぜひご一読ください!

取材①!

ほんのり甘く搾りたてに近い牛乳やクリーミーで濃厚な味わいののむヨーグルト。 皆さんは酪農家さんが一から作った「本物の味」を口にしたことはありますか? 福岡県糸島市には、酪農家さんが作った「本物の味」を人々に届ける[…]

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突然ですが、あなたは昨夜、何を食べましたか?

その食べ物は、誰が、どこで、どのように作られたのか、知っていますか?  

今回の取材では、糸島みるくぷらんとさんの心臓部とも言える牧場に行き、酪農家さんたちがどんなお仕事をしているのかインタビューしてきました。

生乳ひとつをとっても、酪農家さんによって、こだわりや想いが違うはず。

「食べ物に感謝をしよう」とよく言いますが、本当に感謝をするならば、命を頂いている私たちにとって「知ること」「知った上で買う選択をすること」は必要なことだと思います。

糸島みるくぷらんとの商品を口にしたことがある方も、まだ味わったことがない方も、酪農家さんがどのように牛さんと接し、どのように生乳を作っているのか、この記事を通して知っていただけたらと思います。

酪農家さんの想いを知ることができれば、何も知らずに食べるのと比べ、何倍も特別に美味しく感じるはずです!

ぜひ最後までご覧ください。

伊都物語

搾りたての新鮮な生乳で作られる、おいしい乳製品が大人気の伊都物語。大自然の恵みと酪農家の愛情をいっぱいにつめこんだ、こだ…

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人生2回目の糸島

自然が大好きな私は、車窓から見える田んぼや山をぼんやりと見ながら、「牛さんに会えるの楽しみ!」と心をウキウキさせていました。

今回取材させていただくのは、糸島市にある田中牧場の田中和久さん。

牛舎につくと、田中さんは温かい笑顔で迎え入れてくれました。

牛舎の中へ入るとたくさんの牛さんが!

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ご飯を食べた後だからなのか、みんなゆっくりとくつろいでいます。

取材する時は、必要以上に緊張してしまうのに、田中さんの温かい人柄と牛さんの可愛さに癒され、なんだか今日は楽しく取材ができそう…!

そんなことを思いながら、さっそく1つ目の質問を投げかけてみました。

休日は月に1回?!酪農家さんのお仕事に密着!

酪農家”と聞いて思い浮かぶのは、テレビで数回見かけたことのある搾乳のシーン

搾乳以外に何をするのか全く知らなかった私は、はじめに酪農家さんの1日の流れを聞いてみることにしました。

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酪農家の朝は早く、朝5時に起床して牛舎へ向かいます。

そして牛舎に着いてまず行うのは、昨晩やった餌やフンの掃除。

次に、餌やり、搾乳、仔牛にミルクを飲ませる仕事を、私と息子と従業員の3人で分担して行います。ここまでの仕事を5時半から9時までの間に行うんですね。

朝の仕事はそれで終わりです。お昼の時間は、牛さんたちは餌を食べてリラックスタイムに入っているので、その間に牧草の収穫や種を撒いたり、外の作業を行っています。

そして15時半からは朝と同じ作業を繰り返すんです。掃除をして餌をやって…と。1日の流れはこのようなかんじですね

えー!酪農家さんってそんな朝早くから牛さんのお世話をしているの?!

私だったら毎日寝坊してそう…などと呑気なことを一瞬考えましたが、相手は牛さん、生き物です

少しの時間くらい遅れてもいいだろうという考えは、牛さんには通用しない、と田中さんは言います。

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毎日行っている作業は、なるべく時間をずらさないよう気をつけています。たった5分でさえも。

例えば、少しでも餌をやる時間が違っていたら牛さんにストレスがかかるんですね。餌をやる時間が遅れたら騒ぎ出すんです

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田中牧場では、仔牛を含め76頭の牛さんをお世話しているそうで、毎日時間通りに作業をすることは想像せずとも大変であることが分かります。

生き物を相手とするお仕事だからこそ、休日ももちろん少なく…

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お休みは月に1回ほどですね。へルパー制度というものがあって、酪農組合さんの職員さん2人が来てくれるんです。

私がどうしても仕事に出れない時は、奥さんに手伝ってもらったりしていますね

田中さんは淡々とそう教えてくれましたが、私にとっては衝撃的でした。

酪農家さんにお休みはほとんどないことは知っていましたが、酪農家さんの1日を知った今、唖然としたのです。

1日の流れだけでなく、一つひとつの工程を詳しく聞いてみると、さらに衝撃を受けました。

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ここの牧場では40頭搾乳を行っています。そのため、毎日1200リットルもの生乳を取らないといけません。

さらに、牛さんの健康状態にも気を配らなければいけません。毎日顔や耳、目を見て、体調はどうか判断するんです。

加えて、牛さんのフンは1日にダンプ2台分もの量がとれます。この糞は、牛さんのために、また環境破壊を防ぐために、堆肥にして畑に撒いて循環させなければなりません

酪農家さんのお仕事を知っているようで全く知らなかった私は、こんなに大変なんだ…と驚きました。

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そんな私をよそに、田中さんは嬉しそうに牛さんの紹介をしてくれました。

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牛さんによって性格が違ったりするんです。

おとなしい子がいたり、逆に気が荒い子がいたり。

ほら、あの子は気が荒いんだよ。激しいからシゲコって名前。

そして、この娘はね、コーヒー牛乳って名前

そう言いながら牛さんたちを撫でている田中さんの姿を見て、私は不思議な気持ちになっていました

大変なお仕事であるはずなのに、疲れを見せず、むしろ疲れが取れていくかのように、愛おしそうに牛さんと接する姿がとても印象的であったからです。

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牛さんに示す愛情と感謝の気持ち

取材を進めていくうちに、ふと気になったのが、田中さんはどうして酪農家さんになったのか

田中さんが酪農家になったきっかけを聞いてみました。

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元々は父親が酪農家を始めたのです。最初は、家の横には牛舎があって、なんとなく長男である私が後を継ぐものだと思っていました。

なので、高校を卒業した後1年間北海道の酪農家の所へ実習に行き、勉強をしてきました。ここに戻ってきたのは19歳で、そこから酪農家として働くようになりましたね。

ちなみにここの牛舎は、今から45年ほど前に建ちました

19歳から酪農家として働いているということは、何十年も前から牛さんと関わっていることになります。

ということは、たくさんの愛情を注いだ牛さんとの別れも、嫌というほど経験していらっしゃるはずです。

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牛さんは普通は15年くらい生きるんです。

しかし、牛舎で暮らす牛さんはそんなに長く生きられません

牛さんは経済動物であるため、生まれて14ヶ月ほどすれば種付け(人工授精)を行い、出産させなければいけません。出産しないとミルクが出ないんです。

無事赤ちゃんを産み、ミルクを出せるようになったら、一年に一回のペースで種付け、出産を行います。すると、ミルクを取りながら、妊娠もさせなければならないため、結構負担が強く、歳をとってきたら妊娠しなくなるんです。

ミルクが取れなくなれば、食用肉として出荷されるため、平均したら8年くらいが寿命になるんじゃないかな

そうか、ここにいる牛さんたちはあくまでも経済動物なんだと思いながら見渡すと、牛舎の端に小さな仔牛がいました。

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この仔牛はね、昨日生まれたんだよ

昨日生まれたなんて…かわいい!でも、どうしてお母さんのそばにいないんですか?

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いずれ出荷することになるし、お母さんと仔牛は離れ離れになっちゃう。だから、情が湧かないうちにこうやってお母さんと離れたところに移動させるんです。

人間の考えだし可哀想なんだけど、どうしても情が湧いちゃうんだよ

ちなみに田中牧場では1年間に45、6頭の仔牛が生まれているのだとか。

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出産時、仔牛は自力でお母さんの中から出てくるんですよ。

私たちはあえて手伝いません。その方が牛さんのためになるんですよね。

仔牛が自力で出てくるために、私たちにできることは、腹の子を太らせないよう餌の量を管理し、気をつけることです。

もし難産になった場合は獣医さんがきて、最悪の場合、帝王切開をします。帝王切開をすればもちろん牛さんに負担がかかり、弱ってしまうんです。

ちなみに、昨日生まれたこの子は、自力で生まれてくることができましたよ

お母さん牛を見てみると、まだ胎盤がでたままの状態であり、お母さん牛も仔牛もよく頑張ったんだな、無事に生まれてきてくれて良かったなと思いました。

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生まれた仔牛がきちんと大きくなって、ミルクを出すようになった瞬間は嬉しく思いますよ。

そして、大きくなった牛さんから搾ったミルクがお客さんの手に渡り、喜んでもらえること。

それが酪農家の私にとって、なにより嬉しいことです

そう話す田中さんからは、牛さんたちのことをまるで我が子のように大切に想っていることが伝わりました。

しかし、酪農家として働く中で大変に思うこともあるようで…

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やはり生き物を相手にしているので、みんなどんなことを考えているんだろうっていつも思います。難しいですね。

一人ひとりに名前があるように、性格もさまざまですから

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これまでの取材で、酪農家さんがどんなお仕事をしているか、田中さんがどんな想いでお仕事をしているのか知ることができました。

しかし、そんな酪農家自体が近年少なくなってきていると田中さんは言います。

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今の時代、酪農家自体が少なくなってきているんです。

なので、各地域に小さくてもいいから酪農家が残って欲しい。

酪農家が減っている原因としては、もちろん後継者不足もありますが、他にも色々あるんです。

例えば、昔は問題視されていなかったのですが、環境問題や臭いがすることが課題になっていたり、輸入品である餌が高かったり。酪農家自体が少なくなっている現状は少し悲しいですね

それでも田中さんは、牛さんに愛情を持てる人が酪農家になるべきだと話してくれました。

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牛さんに愛情を持てる人が1番ですね。

酪農家はどれかひとつの作業に特化するのではなく、オールマイティにこなさなきゃいけません。大変な仕事ですし、何より牛さんに愛情がなきゃやっていけないと思います

今回の取材では、田中さんの行動や言葉の全てから牛さんへの愛情を感じました

中でも印象に残っているのは、田中さんが最後に話してくれたある言葉です。

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ここで搾った生乳が、無駄なくきちんとお客さんのもとに届きますように、と願いながら毎日牛さんと接しています。

年齢が高くなると、生乳も取れなくなりますので、その時は食用肉として出荷されるんです。もちろん悲しいですけど、だからこそ、牛さんたちが無駄なくお客さんに届いてほしいと思いますね

無駄なくお客さんに届けたい。

私はこの言葉が1番印象に残っています。

牛さんは我が子のように愛おしい存在であるが、経済動物でもあるという現実。

恐らく田中さんは、その矛盾した状況に心を痛める瞬間が少なからずあったはず。

だからこそ出てくる「牛さんを無駄なくお客さんのもとへ届けたい」という言葉は、酪農家である田中さんが持つ、牛さんへの感謝や愛情なのではないかと感じました。

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糸島みるくぷらんとのアイスクリーム、実食!

取材後、JA糸島産直市場 伊都菜彩の中にある、「伊都物語直営店 伊都楽(いとらく)」でアイスクリームをいただきました。

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いただいたのは、ヨーグルトソフト、コーヒーソフト、ミルクソフト、ミルクいちごソフトの4種類!

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その中から私がいただいたのは、人気No.1のヨーグルトソフトです!

しっかりとヨーグルトの味がしながらも、後味はさっぱりで食べやすい味。

普段アイスをあまり食べない私でもハマってしまうほど、かなり美味しかったです。

取材を見学していた新人ライターくるみちゃんも「美味しい!」とめちゃくちゃ笑顔でした(笑)もう1回食べたい…!

数時間しか会ってない牛さんたちですが、私は牛さんに対してしっかりと愛着が湧いており「あの牛さんたちが頑張ってできあがったソフトクリームなんだ」と思うと、より一層美味しく感じました。

そして、田中さんのように、牛さんのストレスを少しでも無くそうと、牛さんのことを常に考える酪農家さんたちが作る生乳が美味しいのは当然のことだと納得もしました。

この記事をご覧の皆さんには、是非とも糸島みるくぷらんとの商品を手に取って、その味を確かめて欲しいと思います。

生乳を作る段階からどれだけの愛情とこだわりが詰まっているのか、きっとあなたも分かるはずです!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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